2006年12月26日火曜日

コミックス「プラネテス」

プラネテス (1)コミックスの「プラネテス」全4巻を読み終わりました。
アニメを見て原作にも興味がわいたので全巻大人買いしたやつ(っていっても全4巻(笑))。

読み終わっての第一声は…「あれ?これで終わり?」…でした。面白くなかったわけではないのだけど、私には微妙に入り込めない感じのまま終わっちゃいました。アニメのほうは、流れのあるストーリーになっているんですが、原作のほうは大きな流れが掴みづらい。いや、そうじゃなくて、もともと「流れ」のある話ではなかったのかな? 主人公ハチマキとしては、あれで終わりでOKなのかもしれないけど、なんとなく、私としては置いてきぼりを食っちゃった感じでした。

1つ1つのエピソードは面白い。これから宇宙という場所がこんな風になっていくのかもしれない…という、近未来。宇宙開発が進んで、それによって発生する宇宙空間のゴミ「デブリ」の回収をしていた船外作業員・星野八郎太が主人公。その八郎太(通称ハチマキ)と、彼の周りの人たちの話。便利になったり、カッコ良くなったりしている裏で、弊害も出るんだという、どちらかというと裏方仕事な話だというのがいい。

でも、原作のほうは大きな流れがないの。いろいろなエピソードが積み重なっていくけれど、それぞれにあまり関連性がない。「ハチマキの成長」ということだけは追っているけれど、それ以外の出来事に大きなつながりがない。

アニメは、そのエピソードと登場人物の設定を使って、新たに書き起こされたという感じになっているのね。「テクノーラ社のデブリ課」という設定はアニメオリジナルだし、課長さんや係長補佐やチェンシンやクレアさんもアニメオリジナル(要するにテクノーラ社関係の話はほぼアニメオリジナル)。TOY BOX(ハチマキの乗っているデブリ回収船)のクルー(フィー、ユーリ)はほぼ同じだけど、タナベが微妙に違う。後輩の船外作業員ではあるんだけど、原作では唐突に出てくるし、性格がイマイチ掴めない。アニメと同じように、ちょっとずれてる感じの女の子なんだけど、アニメのほうが一途な感じ。

タナベの描きかたが甘いからか、原作のほうでは、ハチマキとタナベの気持ちがよくわからない。なんでそ〜なるの?って感じで。あの、船外でのしりとりなんかも、アニメではかなり気持ちが盛り上がってウルッとしちゃったんだけど、原作ではかなり唐突…。タナベって人がよくわかりません(苦笑)。アニメでは、ハチマキとタナベのドタバタな関係を重視してうまくつなげていて、すごくすんなり見られるように再構成した、というところみたい。始まり方も、アニメはタナベの入社にスポットを当てているしね(原作は2巻で唐突に登場)。

ユーリについても、アニメのほうがうまく表現されていたと思う。ユーリという人物はほぼ同じなのだけど、アニメのほうがユーリの「ずっとこの機会を待っていたんだ」感がうまく出ていたな〜と。あの、デブリ情報を黙々と検索している姿とか。

ということで、基本的に、私が好きなのは、「アニメのプラネテス」だったんだな〜ということが分りましたよ。これが分ったということで、全巻大人買いの意義はあった、と言い聞かせよう(笑)。

あ、でも、原作を読んで良かったと思うことも。フィーとタナベの家族の話が掘り下げられていたことは収穫。今度アニメを見るときに、原作の情報は少しアニメの見方を変えるかもしれない。…とはいっても、2人(特にタナベ)の設定はアニメと原作が同じなのかどうかはっきりしませんけどね。

あとね、「八郎太」という名前がついた理由が分ったのもよかったかな(笑)。「五郎」さんの息子が、どうして「八郎太」なのか疑問に思っていたんだよね(弟が「九太郎」っていうのは「八」→「九」ってことで納得できるんだけどね(笑))。

ちょっぴり否定的な感想になっちゃいましたが、とりあえず感想ってことで。


それから、もう一言。
昔、宇宙戦艦ヤマトを見た頃には「宇宙に行ってみたい」って思ったけど、今は「絶対に宇宙になんか行きたくないっ!」って思うようになりましたヨ。飛行機もうんざり。やっぱり人間、地面に足がつくところが一番ですよ。うん(笑)。

プラネテス (2)プラネテス (3)プラネテス (4)