2014年2月13日木曜日

劇場版TIGER & BUNNY -The Rising- 見てきた

劇場版「TIGER & BUNNY -The Rising-」を見てきました。
2011年のテレビシリーズ25話、そして2012年の劇場版第1弾-The Beginning-に続いての劇場版第2弾。

キャラクタファンに傾倒したキモい作品になってたらヤダなぁ…と思いつつ見に行ったのですが、杞憂でしたよかったよかった。

見終わった後に爽快感が得られる楽しい作品でした。



長々書くと何が言いたいかわかりづらくなるからなるべく簡潔に書く努力をしよう。一視聴者だけど、いや、だからこそ上から目線で書くけどお許しを。


「第1弾はタイバニの紹介映画、第2弾はエンターテインメント」

第1弾の映画は、TVシリーズを見てない人にもわかるようにという配慮からなのか、TVシリーズのエピソードにキャラクタ説明的なシーンを加えたダイジェスト版の域を超えなかった。新しいエピソードも加わっていたけれど、全体の流れから考えれば些末なエピソードで、私個人の感想では「それ、要らなくない?」程度(※第1弾については後で追記)。

第2弾は、キャラクタ/世界観の説明をせず(最初に5分ほどのあらすじ紹介はあった)、1つの大きなエピソードで盛り上げ、その問題を解決する流れの中でキャラクタ1人1人の個性や物語をうまーく盛り込んで掘り下げてたなーという印象。最後の戦いがちょっと派手すぎるよなぁーとも思いつつも、いやぁ、これだけ派手だからこそスカっと終われるんだろうなぁとも(笑)。


「完結の潔さ」

UNISON SQUARE GARDENのインタビューで知ったのだけど、この作品は「完結編」ということらしいですね(間違ってたらゴメンナサイ。私はアニメ周辺の情報をほとんど漁ってないのです)。まだお金稼げそうなのに「完結」というのが潔くていい。その情報を知らなかった私は「もしかして毎年映画公開とかするようになって、だんだん飽きられて、コアなファンだけが見に行く痛いアニメになっちゃうんじゃ…それやだわ」的な杞憂を持っていたりしたんですよね。もうちょっと見たい、と思うぐらいが引き時。

もしも今後また何か作られるとしても、今回「完結させた」というのが個人的には気に入った。
最近のアニメ作品でよく見かけるようになった、最終回が中途半端で第2シリーズを待て!とか、続きは劇場版で!とか、そういうやり方に嫌悪感があるんですよね。アクドさが嫌。

そういう変な引っ張り方をせずに、第2弾の映画をスッキリと見終われたのが気分よかった。

ただ、ルナティックの正体にまつわる話がヒーロー側に知られないままになっているのが気になるところ。


「これからも続く日常」

最後の虎徹とバーナビーのやり取りがね、ツボでした。

タイバニという作品が好きなのはそういうところなのかもしれない。物語を盛り上げるために死や別れを持ってくる作品や、ラストシーンにいろいろな解釈の幅を持たせていてモヤモヤする作品も多い中で、この物語は、このあともずっと続く日常があることがわかるのがいい。踏ん張りどころを越えれば、その先には日常がある。

そうだね、そういうところがUNISON SQUARE GARDENの楽曲と相性がいいのかもね。



「harmonized finale」(UNISON SQUARE GARDEN)

ユニゾンを知らずに映画を見てエンディングを聞いた人にはどう聞こえたのかわからないけれど、ユニゾンを知っていて、そして、この曲を映画よりも先に聞いていて〜からの感想。シングルが発売されて何度か聞いた時に思ったのは、

・ピアノ始りなんだなぁ(ユニゾンに鍵盤奏者はいないのに)
・なんか長いなぁ(5:16)
・メロディーが何種類もあって、盛り上がりも何回かあって、分けたら3曲ぐらい作れそう(笑)

いや、ディスっているわけじゃないんですよ。映画全く関係なくユニゾンの曲としてもアリなんだけど、映画のタイアップがなかったらシングル曲としてこれを用意するかな?ともちょっと思ったりする。

で、映画のエンディングでかかったこの曲を聴いて、ふむ確かになぁ、なるほどーと。単品で聞いたときよりも、ピアノ始まりがしっくり来る。映画が終わってスタッフロールが始まる時点でのピアノですからね。まぁ、ありがち、っちゃーありがちなんですけど、映画の終わり方にはきれいにハマってた。

そして長さと盛り上がり。映画はスタッフロール長いですもんね。時には主題歌だけじゃ間に合わなくて、インストルメンタルの曲が付け足されることもあるもんね。1曲でまかなって、さらに飽きさせないメロディー展開。これまた映画のエンディングとの相性ピッタリ。

映画のエンディングとして成立させて、さらにバンドの1楽曲としても成立させるって、結構大変なんだろうけど、巧いなと。





※1作目を振り返って

劇場版第1弾を見終わったあとに私が書いてた感想↓

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○劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-
TVシリーズがすごくよかったし、UNISON SQUARE GARDENが主題歌を担当しているし、見に行かないわけにはいかないよねーってことで見に行きました。二重丸を付けたい……ところでしたが、うーん、△と○の間ぐらいの○…ということで。ちまたの評価は「TVシリーズを知っている人も、知らない人も楽しめる」というものが多かったんですが、うん、それは間違いではない。が、「知っている人には物足りない…かも」という感じ。設定・背景を説明するための第1弾という感じで、TVシリーズの2つのエピソードに、新エピソードを加えた3本立て90分。悪くはないけど、さほど感動もしない…という感じでした。来年秋に第2弾があるようです。第2弾に期待。また主題歌はUNISON SQUARE GARDENでヨロシク!
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http://chinoboo.blogspot.jp/2012/10/201209.html


全然イイこと言ってない(笑)。容赦ない(笑)。
知り合いには「劇場に見に行かなくてもいいよ。第2弾の前にTVできっと放映するし」とか言い放ってた(笑)。

ただ、この時に、書き忘れたと思っていたことが1つあったんですよね。それは、TVシリーズではあまり語られていなかった虎徹の妻のエピソードが何度も繰り返し取り上げられていたこと。

映画が終わった直後には、それほど強く思い出さなかったのだけど、ユニゾンの『リニアブルーを聴きながら』の「その果てであなたが待っている事を信じたいんだよ絶対にね」という歌詞を聴くたびに花嫁衣装の虎徹の奥さんの映像が思い出される。あの映像はTVシリーズにはなかったもの。そして、楓ちゃんからの視点も多かったですよね。それを考えると、第1弾は、タイバニの紹介映画であり、「虎徹の過去と現在にスポットを当てた作品」なのかな、と。

おお、いま、その言葉を書いて気がついたけど、第2弾は、「虎徹の現在と、再び走り出した先の未来への話」だったのかしら。ふむ。




最終的には、TVシリーズ→劇場版第1弾→劇場版第2弾(完結)、ときれいにまとまった作品だったってことかな。今後更なる展開があるかもしれないけど、その時は新しい気持ちで向き合えるでしょう。主題歌がUNISON SQUARE GARDENじゃなくても。