2008年10月14日火曜日

映画「フラガール」「ゆれる」

TV放映していたものを録画して2本いっぺんに視聴。
「フラガール」のほうは地上波だったのだけど、地デジで録画してみましたよ。そしたら、画質、いいじゃん。……あ、いかんいかん、デジタル普及反対派だった……(苦笑)。いや、デジタルがいけないんじゃなくて、コピープロテクトがイヤだってだけなんだけどね…。

…と、話が横にそれたところで、簡単に感想〜。


■「フラガール」 ○

公開のときにはもう日本にいたし、CMなんかをちょこちょこみて気になっていた作品。実際に見てみてビックリ。予想と全然違った映画でした。

CMやワイドショーで取り上げていたのをチラチラ見て、すっかりコメディ色の強い映画だとばかり思っていたんですよね。しずちゃんが出ているだとか、田舎娘がへっぴり腰でダンスを踊るとか、そんなところばっかり見せられていたから。

実際には、衰退していく炭坑の町の復興をテーマにした人間ドラマ性の高いストーリーなんですね。途中で何度ウルウルさせられたか(うるうる)。ベタな展開ではあるけれど、キャラクタを丁寧に描いていたし、それぞれのキャラクタにも魅力があったし、いい映画でした。○。

そして、意外にも、「豊川悦司ってカッコいいじゃん……」という感想を持ってしまいましたよ。だって、絶対に私のタイプじゃないはずなのよ。でも、あんだか、妙に惹かれてしまいましたよ。そういえば、ちょっと前に見た「20世紀少年」でもトヨエツがカッコ良かった、って言ってなかったっけ、私? も…もしかして、私ってトヨエツ好きだったのか?(おぉ〜)

え〜、んなわけで、最後のほうの思わせぶりなトロッコシーンで、変な予測をしてしまい、変なドキドキを味わってしまいました(苦笑)。よかったよ、変な予測があたらなくて…。


■「ゆれる」 ○

オダギリジョーと香川照之の演技が素晴らしかった。

ストーリーは単純なものの、2人の心理については非常に深過ぎて、結局、1度見ただけでは、それぞれの人物が辿り着いた心境は理解できなかった…というのが本音。

東京で自分の好きな仕事をして楽しく暮らす弟(オダギリジョー)。実家で家業を継ぎ、地味に日々の仕事をこなすだけの兄(香川照之)。母親の葬儀で久しぶりに実家に戻ってきた弟と、幼なじみの女性をさそい、子供の頃の想い出の渓谷へ遊びにいく3人。その渓谷で幼なじみの女性が吊り橋から落ちてなくなってしまう。事故?事件?兄弟の微妙な心理描写で物語が進んでいく。事故(事件)の映像は最後まで視聴者には見せられず、何が本当なのか、その中に潜んでいる心理は何なのか、嫉妬、信頼、疑惑………。起伏の少ない静かなドラマの中に、ぎゅっと何かの感情が凝縮されていて、「濃いドラマ」という印象。

サスペンスという雰囲気ではなく、兄と弟の心の中の感情に、自分の心理を映そうとして考えさせられる。一筋縄でいかない複雑な心理を想像し、ちくちく刺さる自分自身の過去のいろいろな出来事への後悔を重ねてズキン。

役者と演出がうまくかみ合って奥の深いドラマだったな〜という作品。オダジョーも良かったけど、香川照之の弱い部分と感情を吐き出す部分の演技の振れ幅がすごく印象に残った。

ラストシーンの後は、どんな風になったのだろう?
そこは視聴者に任せられた部分なのだろうけれど、私には、どうなったのか想像できない。う〜ん、難しい。