2008年10月24日金曜日

劇場版アニメ「新暗行御史」(2004年公開)○

こんな作品が劇場公開されていたんですね。

原作は、韓国人漫画家が描く同名の漫画。題名が気になって、最初の数巻を立ち読みしたことがあったんですよね。韓国の漫画家が日本の雑誌向けに作品を書いているってことと、作品の世界観や設定が興味深かったものの、微妙にテイストが私好みじゃない気がして「立ち読み」で終わっちゃっていた作品。

レンタルDVD屋さんで、なんとなく棚を物色していたら、劇場版のDVDがおいてあって、キャストを見たら、どうやら主人公役の声が藤原啓治さんらしいってことで、ちょっと借りてみました。オヤジ主人公のアニメ。いいっすね〜(笑)。

感想は ○。

勧善懲悪のジワリと泣けるストーリーと、手に汗握るアクションシーンと、勧善懲悪の主人公のくせに図々しくて態度の悪いオヤジキャラ。

映像的には、スプラッタなシーンも多かったし、CGで作られた特殊効果部分が微妙にアニメの絵柄に溶け込んでいない部分が気になったけれど、丁寧に作り込まれているし、キャラクタや世界の描き方はいい感じ。


原作のコミックスの最初の数巻で見た主人公は、もう少し悪たれな感じの若い兄ちゃん風だったような気がするけれど、劇場版ではキャラクタデザインや藤原さんの演技の効果もあって、多少落ち着いた「オヤジ」の雰囲気になっていたのが、私にはよかったかな。原作の主人公には、少し違和感…というのか、嫌悪感があったのだけど、映像になった主人公には、イヤな感じを受けなかった。原作は全17巻になっているとのことなので、後半になるにしたがって、こういう雰囲気の主人公に変化していっていたのかも。

原作を読む機会があったら、また読んでみようかな。


ちなみに「暗行御史」(アメンオサ)というのは、約500年前の朝鮮半島に実在した秘密警察官のような特殊官吏だったらしい。身分を隠して民政を視察し、不正を働く地方官吏を摘発する。この作品では、特殊能力を使えたり、中央にお伺いを立てずに悪代官を処断しちゃったりするという、アクションものにはありがちな設定(だからこそ面白い)。さらに、その主人公が最近流行の「かっこ悪くてやる気の無さげな主人公(でもやる時はやる)」系。

内容が少しハード過ぎて一般受けはしない感じなので、レギュラーTVシリーズには出来なさそうだけど(私の感覚としては「天保異聞 妖奇士」っぽい印象)、劇場版としては面白かった、ということで。