NHKで放映してたアニメOVA(?)
「FLAG Director's Edition 一千万のクフラの記録」を見ました。
「FLAG」という全13話のシリーズアニメーションの総集編とのこと。
このアニメ、知らなかった…。
http://www.flag20xx.net/
アジア(中東?)の小国の内戦を取材する日本人カメラマンの話。国連の特殊部隊専属になった女性カメラマンが写した兵士や戦争の記録を、その先輩であるフリーカメラマン(男性)の視点で語る物語。
怖かった。
特に怖い映像がある訳ではないのだけど、戦争の理不尽さと、生と死の不確定さがジワジワと感じられて、怖い。なぜ、戦場で命をかけて取材をすることが出来るんだろう?…という、理解できない不思議な感覚。この物語はフィクションだけど、多分、同じような行動をしている人たちが、いま、この瞬間も世界のどこかにいるという、切なくて怖くてやりきれない思い。
戦争を記録することの意義ってなんだろう?
安全なところから見ている人にとっての価値観と、
命をかけて記録しようとしている人の価値観と、
撮られている人たち(争いの当事者や、巻き込まれた人々や、大義をかかげて武器を使用する国連軍の人々)の価値観の相違。
怖くて不思議な物語でした。
2時間弱でも充分伝わってきたのに、これを全13話で放映していたんですね。登場していた1人1人をもっと深く映像化していたのかな…。怖いけれど、いつか、機会があったらシリーズの方も見てみようかな…。
内容からは話がそれるけれど、映像の作り方が面白かった。
ほぼ、全てのシーンが「レンズを通して見た映像」になっていること。
女性カメラマンのファインダー、先輩ジャーナリストのファインダー、ヘリや二足歩行兵器の車載カメラ、照準器、暗視カメラ、TV映像……と、いろいろな視点が使われるけれど、全て「レンズを通した映像」。主人公たちの顔も、自分のカメラのファインダを他の人が覗いた映像だったり、鏡に映った自分を撮った映像だったり、カメラマン同士が互いにカメラを向け合ったりしたときの映像だったり…。
そもそも「実写で映画を撮る」場合には、役者と視聴者の間には必ず「レンズ」が存在する訳だけど、絵で表現するアニメには、むしろ必要のない「レンズ」。それが、意識的に、必ず「レンズ越し」の映像になっている、というのが興味深い。こんなにたくさんの「レンズ」に囲まれて生活しているんだな… と、なんだか不思議な気持ちになってみたり…。
映像の作り方としても、内容としても、興味深いアニメでした。
…う〜ん、うまく言いたいことが書けないのが悔しい。
見る機会があればぜひ見て欲しい作品、かな。
【追記】
…と調べてみたら、TOKYO MXで放送中だった!
今週の土曜日が第9話だそうです。
あら〜、1月から地上波初、とかで放送していたのね。
チェックしてなかった……。
途中からだけど、9話から見ようと思います。
(そもそもはバンダイチャネルでweb配信が最初だったらしい)