TVで放映されていたので、録画して見ました。
なんとなく気になっていた映画だったのだけど、映画館に行くほどでもないし、わざわざレンタルするほどでもないし…と、すっかり忘れていた映画。TV放映に気がついてよかった〜。
「面白かった」というと語弊がありそうなので「見てよかった」と思える映画でした。
交通事故によって記憶障害になってしまった数学者と、家政婦とその10歳の息子が心を通わせる物語。家政婦とのなにげない日常の出来事がとても幸せに描かれていて、いい感じ。記憶障害を患っている方と接するには、本当ならもっときっと大変なことや理不尽な出来事もたくさんあるだろうけれど、この映画の中では「幸せな時間」だけを前面に出して、辛い部分はバッサリと切り落としたんだろうな。
博士と家政婦とその息子とのコミュニケーションのキーになるのが「数字」。
成長して数学の先生になった息子が、博士との昔話を織り交ぜながら「数字」の不思議な性質を高校生たちに授業で伝える。
この授業は、別の言葉を考える必要も無く、「面白かった」。こんな授業をしてくれる先生がいれば、数学がトコトンキライになる子供も少ないだろうにね。世の中の算数や数学の先生にぜひ見てもらいたい映画かも。これを見ていて、私も「あぁ、数字ってホントに面白いなぁ〜」と、感心してしまいました。
私は理数系出身だし、「数学が得意なんだろう」と思われているかもしれないけれど、「得意か」と問われれば、「得意とは言えない」と答えたい。数式や公式なんかほとんど忘れちゃっているし、それを覚えていて自慢したいなんて思ったこともない(いや、マジ、ホントにほとんど忘れてるからね(苦笑))。
でも、数字や数式の不思議にはワクワクできる。
数字や、宇宙や、量子の世界に、なにか不思議な繋がりがあるなら、それを見てみたいと感じていた。感じていたからこそ、勉強していて楽しかった。受験で使った公式は、ま、すぐに忘れちゃうわけだけど、その不思議な繋がりのヒントだけは、なんとなく覚えてる…って感じ?(笑)
そんな、不思議な繋がりをちょっとでも「先生」と呼ばれる人が示してくれたら、算数が好きになる子がふえるんだろうにね。私みたいな。
たぶん、「頭の体操」(今ならDSのレイトン教授シリーズ)なんかが、この先生の役割を果たしてくれていたのかも。数だけに限らないけれど、なにか不思議な繋がりや、見方を変えるだけで目の前が明るくなる経験は、ほんと、楽しいよね。実は、中高生の頃、「頭の体操」シリーズが大好きで、買い集めてたりしたのでした。だから、レイトン教授シリーズは「懐かしい」と感じるのでありました。