2007年9月13日木曜日

アニメギガ とことん!押井守 の感想っぽいもの

8月にNHK-BSで放送されていた「アニメギガ とことん!押井守」特集をやっと見終わりました。1週間の特集で、録画時間は20時間を越えるという超大作。このところ忙しかったのもあって、全部見るのに1ヶ月掛かってしまいましたよ(苦笑)。
http://www.nhk.or.jp/animegiga/oshii/

全部見終わったので、ざっとワタクシ的感想など…。

ただし、ワタクシ的には「押井守」という監督に特に思い入れはないんですが、攻殻機動隊は好きだし、パトレイバーには興味がある…という程度。なので、押井ファンの方が読むと、むっとされるかもしれませんが、ま、その辺は、芸術を解せない一般庶民が戯れ言を言っている…と大目に見てください。熱狂的なファンの方と議論をぶつけ合う程の技量はございませんので事前にご了承の程…。



■うる星やつら関連

特集で、うる星やつらのTVシリーズから人気の高かった4話分と、劇場版2本を見ることができました。…で、感想は……と言いますと………すんません、どうもワタクシうる星やつらとは相性が合わないようです(苦笑)。いや〜、高橋留美子さんの作品では、めぞん一刻、犬夜叉などは面白いと思って読んでいたんですが、それ以外の作品は、興味はあるものの、どうも手に取っては挫折するという経験をしてきたんですよね。で、久々にうる星やつらに再会して、やっぱり「相性悪い」ことを実感しました。「あたるが嫌い」というのが致命的な模様(苦笑)。

なので、TVシリーズ4話分、劇場版1作目は、家事をしながらのバックグラウンドとして見させていただきました。監督の演出がどうのとかいうレベルの話は全然できません(苦笑)。が、劇場版2作目の「ビューティフルドリーマー」っていうのは、途中からしっかりソファーに座ってみてました。ストーリー展開…というのか、舞台設定が結構面白かったのかな。現実と夢の境目の曖昧な世界。

…でも、あたるが嫌いです(をい)


■パトレイバー系

特集では、初期OVAの1、5、6話、映画版1、2を放映。ワタクシ的には、初期OVAは全くダメ、映画版1もダメ…という感じでした。警察もの、ロボットもの…ってことで、私が嫌う要素はないように思えるんですが、実は、数年前にもこのパトレイバーシリーズに興味を持ってTVシリーズのDVDを借りた経験があるんですが、その時にも1枚目の最初の方を見てギブアップしたんですよね。今回、OVA、劇場版1、2を見て気が付いたのは、

 ノアとアスマが嫌い

ということ。この2人の話になると、ど〜も見たくなくなるのね。ふと考えると、あすまとあたるって同じ声優さんじゃない?もしかしたら、私が古川登志夫さんの声があまり好きじゃないってことなのかもしれない…?(ファンの方がいたらごめんなさい…こればっかりは個人の感想なのでお許しを) ま、声の影響もあるとは思うけれど、このなんだか脳天気な2人のテンポが生理的にイヤ…。

そんなことを感じながらも、一生懸命見ていたんですが、

 劇場版2は面白かった!

家事をしつつ見始めたのだけど、いつの間にか、TVの前に釘付けになってました。どうやらノアと遊馬(←ことえり、すごいっ!1発で変換したっ!)は嫌いだけど、後藤としのぶさんは好きらしい。この2人の関係を知るためにならOVAやTVシリーズを見てもいいかも…という気持ちになりましたよ。


…結局、私の感覚は「キャラ優先」ってことなんですかね?(笑)

魚眼レンズ風のカメラワークも面白かったし、映像としても劇場版2は面白かった。パトレイバーのメカ自体は全然活躍しなかったけど、私はメカには全く興味がないし、全然OK、ということで。東京という街が1人のテロリストにより戒厳令の状態に陥るという話。日常感と緊張感と違和感の背景に見入ってしまいました。



■Avalon

この特集を見るまでは全く知りませんでした、この映画。押井監督が撮った実写映画。俳優もロケもポーランド。言葉もポーランド語とのこと。生活感のない街に暮らす人々、彼らが興じているのはオンラインゲーム。オンラインゲームの中で戦い、殺し合い……で、ゲームを終えても、色のない全く無機質な世界(現実?)。そのゲームの中で、主人公の女戦士が「未帰還者」がいるというスペシャルAという「あり得ないフィールド」を求め現実世界とゲームの世界で情報を集め、そこに辿り着く……という話。映画のほぼ大部分は、彩度がとても低い「セピアカラー」の世界。ゲームの戦場から日常に戻っても、その日常すらゲームの中の様な世界。街角にいつも同じように人がたたずみ、電車に乗っても、毎日人たちが同じ格好で乗っている(RPGの世界そのもの)。主人公がアパートに戻ると、そこには唯一「生きた」ものとしてビーグル犬が待っている。愛犬のビーグルに餌を与え、タバコを吸い、お酒を飲んで、そして端末に向かう彼女。

ゲームからの未帰還者が、現実(?)世界で意識不明の植物状態になるとか、フィールドのバグがあって不思議な世界に入り込むとか、これってどこかで見たような……

 って、.hack の話とスゴく良く似ている

.hackは、アニメも見たし、ゲームもvol2まではやったけれど、何かこうワタクシ的に満たされない感覚があったのだけど、このAvalonは最後まで面白く見ることができましたよ。映像のキレイさや、得体の知れない現象や、予測できない結末にゾクゾクさせられましたよ。

最後まで見ても、結局、なんだったのかよくわからなかったんですけどね(苦笑)。

ゲームの世界、現実と思っている世界、ゲームの中のさらに奥にある「リアル」と呼ばれる現実のような…でも多分虚構の世界…………一体、彼女が……そして、私たち自身が生活している「現実世界」というのは、どれが本物なのか……????と考えさせられました。


…ネットゲームでの未帰還者……というのは、もしかしたら、ネットゲームから卒業してリアルな世界に戻っていった人たちなのかもしれない……。……となると、私は一生未帰還者に慣れないかもしれない(笑)。


そして、もう1つ考えさせられたのは、日本人が作った「洋画風SF映画」について。
見ている時に、「ファイナルファンタジー」を思い浮かべながら見ていたのね。あれは登場人物も全てCGで作っているという意味ではAvalonとは違うものではあるのだけれど、「洋画風、日本のSF映画」という意味では括れると思うのね。「FF」への私の評価はとても低い。でも「Avalon」は面白かったと言える。その違いは何だろう? …これはとても個人的な感想なのかもしれないけれど、「Avalon」には、アメリカ映画にありがちな「とって付けたような恋愛表現」が「ない」ということ。同じ主題でハリウッド制作されたら、きっとどこかに「とって付けたような恋愛表現」が組み込まれるに違いない…と思ったんですよね。私はあれが嫌い。アメリカ人は「ハグ」と「キス」がないと映画じゃないと思ってるんじゃ?と思えるほど、お決まりでしょ…。必然性があるならいいけど、「え?なんでこの2人にその感情が!?」とビックリする映画が多すぎ!…ということで、「Avalon」はそういう展開にならなかったところが嬉しかった。そういう意味で(論点はずれているのかもしれないけれど)、「Avalon」は、「日本人が作った映画」なんだな〜という気がしたんんですよね。


■攻殻機動隊系

押井特集では、劇場版2作(GHOST IN THE SHELLとイノセンス)を流していましたが、どちらもDVDを持っているから……という理由で、今回はちゃんと見ませんでした。

ただ、攻殻機動隊系の作品を今まで見てきて、私はSAC(TVシリーズ系)のほうがしっくり来る…とは感じているところ。ただし、劇場版が嫌いというわけではなく、単に、劇場版には私の頭がついていけない…ってだけ。SACのほうが(こちらも難解ではあるのだけど)比較的分りやすい。

劇場版2本は押井作品で、SACになると神山作品という感じに分類されるのならば、私は神山作品んほうが好きなのかな…とも思う。精霊の守り人も好きだし、パトレイバーを見てみないと……と思ったキッカケになった「ミニパト」という短編作品も神山さんの作品だし。

と、分類しては見たものの、攻殻機動隊では、既にキャラクタに思い入れができてしまっているので、今後も「嫌い」にはならないんだろうとも思う。なので、押井作品だとか神山作品だとか、そういうところを越えて、既に世界観に入り込んでいる…んでしょう。それが、何のせい(おかげ)なのかは分析できないけど…。





とにかく、押井守特集、見終わりました。
あ〜〜〜〜、スッキリ〜〜〜〜っ!
中途半端な感想ではあるけれど、とにかく今の考えをメモしておかなくちゃ…ってことで日記にしてみました。

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