2008年12月31日水曜日

コミックス「新暗行御史」(全17巻) ○

新暗行御史 17 (17) (サンデーGXコミックス)以前から気になっていた漫画「新暗行御史」をコミかるでレンタルして読み終わりました。読みはじめたら、ヤメられない止まらないで17巻を一気に読み終えてしまいました。すごい漫画だった〜。

日本の漫画雑誌に連載されていた韓国人漫画家の漫画。最初から最後まで、細かく描き込まれたキレイな、そして絶対的な画力に圧倒されっぱなし。ストーリーも登場人物たちも魅力的。

主人公は、暗行御史(アメンオサ)という役職らしき、薄汚いジャケットとジーンズ姿の20代後半(?)の文秀(ムンス)という男。暗行御史というのは、旅人を装って諸国を旅し、地方領主の不正を正す、秘密警察のような役職らしい。正義を行う役人のくせに、薄汚い服装で、やる気がなさそ〜なオヤジってところが主人公ムンスの魅力。見た目はちゃらんぽらんだけど、義理や人情や正義を心に持ち、実力も兼ね備えているというところはカウボーイビバップのスパイクや、銀魂の銀さんっぽいイメージ(髪型がボサボサなところも似てるかな)。

全17巻の前半部分は、韓国の伝承の物語を元にした正義や愛をテーマにした数話完結の話。残酷なシーンも多いのだけれど、最後には、じ〜んとさせられる話。

後半になると、たぶん、最初から予定されていた、本当に描きたかった話と思われるストーリーが展開していく。これが、非常に残酷で切ない展開。ムンスが仕えていた国や、恋人や、親友を破滅に至らしめ、さらには今の世界をも破滅に導こうとしているアジテという強大な力を持つ人物を倒そうと、命を削るムンスの物語。

前半に見せていた、ちゃらんぽらんで、でも人情深くて、正義を貫き、誰にも負けない強さを持つムンスが、後半になると、敗北し、敗北し、敗北していく…。それが辛くて、実は、途中で、何度も読むのをやめようかと思ったぐらい…。カウボーイビバップの最終話が辛くてみられないのと同じような感覚。

…でも、最後まで読み切ってよかった…



文秀(ムンス)も好きだったけれど、ムンスの護衛を引受けた美女、山道(サンド)が好きでした。だからこそ、後半の物語が辛かった、っていうのもあるのかもしれません。

もっと書きたいことはあるけれど、書いてしまうとどんどんネタバレになってしまうので、今日はこの辺で。


少し前に劇場版アニメのDVDを借りて見た時の感想はこちら。
http://chinoboo.blogspot.com/2008/10/2004.html

ムンスの声を藤原啓治さんが演っていて、そのときにはピッタリだと思ったんですが、原作を最後まで読むと、後半にもっと藤原さんにピッタリなオヤジキャラがいっぱい出てきてとまどいました(笑)。ムンスに藤原さんを当てちゃうと、それ以外のオヤジは、もっともっとオヤジな声じゃなくちゃならいわけじゃん、大丈夫〜って(笑)。残酷なシーンも多いので、シリーズでTVアニメにするのは無理だろうから、私が悩む必要は無いですけどね(笑)。

宿敵であるアジテの声は、是非とも宮野くんでお願いします(怖い顔が、デスノのライトにそっくりだったんですもの)。