2007年1月12日金曜日

『人狼 JIN-ROH』

人狼 JIN-ROH『人狼 JIN-ROH』見ました。アニメーション映画。
評価は ○
5段階評価なら ★★★★
ってとこかな。

ぽすれんのリストに入っていて、なんだっけ?と思いながら借りたんだけど、映画が始まってスタッフの名前に「原作・脚本:押井守」「演出:神山健治」と出てきて了解。攻殻機動隊の関連作品として紹介されていたからリストに入れたんだな、と。

昭和30年代のパラレル世界の日本。戦後の混乱で作られた「首都警察」とかいうのの特殊部隊に所属する青年が、反政府運動テロリストとの戦いの中でゲリラ側の少女の死に直面する。裏で進行する政治的な駆け引きと、主人公の心情が淡々と描かれていく…という物語。タイトルの「人狼」というのは、特殊部隊の中にあると言われている伝説(?)の必殺仕事人部隊(?)。

特殊部隊とテロリストとの地下での戦闘シーンもあるし、非情であることが要求される特殊部隊員が主人公ということで、映像的にはバイオレントシーンも多いのだけど、淡々とした物語の進行と全体的に暗い画面で功を奏しているのか、過激なシーンが苦手な私でも大丈夫だった。

…かといって、万人受けする映画でもないという感じ。重たい設定に重たいストーリー。見ていて涙する…という展開でもなく、淡々と、あぁ、そういう話もさもありなん…という感じ(と、自分で書いていても理解不能(苦笑))。


それでも私がわりと良い評価をしたのは、映像がストーリーにぴったり合っていたから。映像的にすごく興味を引かれた。

人物の輪郭も動きも、とてもリアルに描かれているのね。実写の映像から1コマ1コマ輪郭をなぞったんじゃないかと思われるぐらい(もしかしたらそんな風に作ったのかな?)。登場人物たちの顔も、さもありなん、な感じ。アニメではなく、実写の映画を見ているかのよう。

でも、これはアニメなのだ…と再認識させるのが、影の付け方。最近のアニメは顔や体にかなり細かく影をつけるけれど、この映画にはあまり影が描き込まれていない気がしたんですよね。かといって幼稚な感じになるのではなくて、きっちり描き込まれた背景に人物がしっかり溶け込んでいる。溶け込んでいるけれど、なんとなく平面。平面だけどリアルで写実的に感じる……という、なんとなく不思議な感じのする画面。

…と、調べてみたら、この作品はセルで作られているらしい。CGではないのね。


絶賛して人に勧めるような作品ではないようなきがするけど、私はこの作品の不思議な感触に出会えてよかったと思った。