2006年6月4日日曜日

芝居『桜の花にだまされて』感想その2

芝居『桜の花にだまされて』を見てきました。
普通の人(笑)としての感想は本家に書いたので、こちらでは声優ヲタとしての感想編(笑)。
(衣装などのネタバレがあるので、読みたくない方はパスしてね)

以下は続きにて…
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この芝居を見に行くことになったのは、チケットぴあから送られてきたメールに「萌えぴあ」http://t.pia.co.jp/moe/ なんてページが紹介されていて、ふ〜ん、とクリックしてみたら、「石田彰」という名前が目に飛び込んできたところから始まる。

なにやらマウスプロモーションの「公演」だ、ということだけがわかったけれど、最初は一体どんな「公演」なのかわからず、でも、すぐさま、某M嬢にメールを書き、どんな「公演」かわからないまま、日程だけ擦り合わせをして、すぐさまチケット購入ボタン、ぽちっ!……

 いったいどんな「公演」なのか……

…と、そのあと情報を探っていたら、どうやら「普通のお芝居らしい」ということがわかってきて、M嬢ともども、ちょっとホッとしつつ、当日を迎えたのでありました。


それでも、もしかしたら、声優萌え萌えコスプレ少女軍団がたむろっていたらどうしよう……とか思ったけど、観客はいたって普通の演劇と変わりない感じ。まぁ、一部にゴスロリな人や、萌え萌え集団もいたけど、少数派。少数派とはいえ、ちと鼻についた集団もいたけどね……。終演して客電が点き、さぁ、帰ろうかというときに、なにやら後ろのほうで“キャーキャーキーキー”という女の子たちの黄色い声が…。どうやら、舞台の終わりの役者挨拶のときに、役者全員が客席に投げ入れたサイン入りボールに群がって萌え萌えしているらしい。その中のひとりがこんなセリフを……

 「石田さんが投げたボールを取った人って超ラッキーだよね〜〜〜〜っ!うらやまし〜〜〜。」

…あのなぁおまえら、役者は石田だけじゃないからっ!
(とココロでツッコミ(それも石田さんの声で(笑)))

いや、まぁ、私も、石田の文字を見たからこそ、この芝居のチケット買っちゃったわけだから、強くツッコミはできないんだけどさ(笑)。

と、まぁ、話は横道にそれましたが、開演前はいたって普通の客席。女優もたくさん出るからか、客席にはおじさまがたの姿もちらりほらり。もしかしたら役者のご家族かも?と思えるような初老のご夫婦などもちらりほらり。

 な〜んだ、ほんとに普通の芝居なんだな
 
と思って開演を待っていると、開演前のアナウンスが……

 「今日は集まってくれてありがとう。
  まずは、少佐からのお願いだ。」
  
……と、少佐こと草薙素子からの指令が!!。おぉぉ、そうか、素子の声の田中敦子さんってマウスプロモーションなのかっ!(ところで素子って自分のこと「少佐」って名乗るっけ?ま、いっか、細かいことだし、「少佐」って言ってくれなかったらすぐにはわからなかっただろうし)。で、携帯電話やアラーム時計の音が鳴らないようにしてほしい…とか、普通の注意事項の中に…

 「ロビーで売っているTOPPOなどの飲食は禁止だ」

という、妙なものも(笑)。どうやら、グッズの中に、あの、お菓子のトッポが売っているらしい。最初は、なんだ?と思ったけど(おまけに、少佐の声でトッポとか言われると微妙に笑えるし)、芝居中の小道具としてお菓子のトッポはとっても重要な役割を果たしていたわけなのね。聞き違いかと思ったけど、帰りに確認したら、グッズ売り場でトッポ、売ってたし(笑)。

そんなわけで、いきなり少佐の声を聞かされて、いやがおうにも「そっか、声優さんの芝居なんだ」と再認識させられたところでお芝居が始まる。

まずは、いきなり登場の大塚明夫さん。
ガタイがでかくて目立つしカッコいい役者なのに、ヘタレでお調子者キャラの役。ぬぼ〜っとした出で立ちで、何かというと、他の役者に、たたかれ、どつかれ、吹っ飛ばされて壁に追突するという役回り(笑)。オイシい、圧倒的にオイシい役(笑)。

ばたばたとたくさんの役者さんたちが出てきて芝居が進んで行くなかで、「石田さん、まだ出てこないなぁ〜」と思っていたところに、座敷の奥のほう(という設定の場所)から、なにやら

 茶髪の小柄な青年

が携帯電話片手に登場。ウエストが尻までおちているようなダボッとしたジーンズにウォレットチェーン、大きめのジャージを小粋に着ちゃって、「学生さん」という雰囲気。役どころから言うと、それが石田さんのはずなんだけど、ぱっと見第一印象はいままでの石田さんの雰囲気とは全然違う……。あれれ?……と思ってみていたら、声は確かに石田さんの声っ!

 うぉぉ〜〜、あれはやっぱり石田さんかっ!!

そう、いままでの写真やインタビュー映像では、さらさら黒髪おかっぱ風味でず〜〜〜〜っと通していたのに、なにやら若者っぽく、メッシュの入った茶髪で、なんというのか「普通の髪型っ!」(って、いままでの髪型が普通じゃないって言っているってことかよ?(笑))。顔をじっくり見てみれば、確かに石田さんですよ!

 カッコいいじゃんっ!

いや、いままでもカッコ良かったですよ。いや、でも、あの髪型のほうが絶対に似合ってますよ。可愛いですよ。超プリティーっ!(<その表現はどうかと……(笑))。石田萌えメーターがビビ〜ンと振り切れそうになりましたが、舞台の上には大勢の個性豊かな役者さんがそろっているし、常に舞台の端っこのほうでオイシいネタに食らいつく体勢の大塚さんも見逃せない。んなわけで、メーターは振り切れるところまで行かず(笑)。

大塚さんは、お芝居の全編を通じて、常に舞台の端っこで(話題の中心になることはない)オイシいボケをかましている役で、ほぼ常に出ずっぱりだったんですが、石田さんはたまにしか出てこない役どころ。それも、メインの話にどっぷり絡むことは少なくて、何やら友達に電話をしていたり、若い看護婦さん集団に囲まれて「康二く〜〜〜ん(はぁと)」と言い寄られていたり、その看護婦さんたちに流し目のうえ「バ〜ンっ」なんてハートを射抜いちゃう仕草をするという、ある意味ファンサービス的役割(なのか?) 最後には看護婦さん集団にどつき回されるという、これまたある意味ファンサービス的シーンまで(え?笑)。


で、物語は「選挙戦」に入るわけですが、ここからは、コスプレ着ぐるみ、なんでもありのかなりコミカルな展開に。その中でも、ひときわ目立っていたのはオカマさん役と犬の着ぐるみ役。

オカマさん役は、ワタクシ知らない役者さんだったんですが、オカマがなにやらはまり役のすらりと美脚な(といっても男の足だけど)役者さん(中村俊洋)。

そして、驚いたのは、大川透さんの犬着ぐるみ姿!(苦笑)

そもそも役柄が、隣町から引っ越してきたばかりの冴えないおっさん。ふっくらな体型は役柄にぴったり。到底この姿からサイトー@攻殻機動隊や、ロイ・マスタング大佐@ハガレンの声が出ているとは思えない(あ、ヒドい)。そのうえ、犬の着ぐるみっ!!(笑) その着ぐるみ姿でキューティーハニーの主題歌を歌うとあっちゃぁ、イメージ総崩れ!……と言いつつ、ワタクシ的には嫌いじゃないタイプ(をい)。芝居中、ご本人から「この歳になってこの格好は恥ずかしいんですから……」みたいなセリフも……(そして客席からは大拍手(笑))。


途中に、芝居のメッセージとも言える「民衆にとっての政治とは」みたいなお話でジワッとさせて、最後はなにやらハッピーエンドに。



で、声優萌え的にはどうだった?…と聞かれると……

え〜っと、確かに生石田さん、生大塚さん、生大川さんをこの目で見たはずなんですが、やっぱり何か遠い感じがしたのは何故かしら? やっぱり、生ではあっても、「芝居の中」だったからでしょうか。まぁ、そんなこと言えば、生B'zだって、あれだけたくさん見ていても、本当に「見た」という気になったのは、手が届きそうな会場で見たときだけだったわけだし、そんなもんなのかもしれませんね。

いや、でも、石田さんは可愛かった。うん。茶髪の若者っぽい髪型が、すんごく似合っていましたよ。若く見えた!いや、普段から若く見えていると思うけど、それよりずっと若く見えました!本当に大学生に見えたもん。これからも、是非ともあの髪型でよろしくおねがいしますっ!って感じですよ。

で、演技はどんな感じだったか……と言いますと、今どきの若者で、責任逃れのために結構熱くなれるタイプ?(笑)。 なんか、どっかにそんなキャラ、いたんじゃないの?……と、芝居の後に某M嬢と話していたら、彼女がビシッと分析してくれましたよ。

 リッドみたいだった

と。そう、テイルズ・オブ・エターニアの主人公のリッドが、そのまま舞台に上がっていた感じ!(さすがにリアルの舞台ではへそも出してなかったし、剣も持ってなかったけど)。茶髪で、今どきの若者っぽくて、面倒なことはできれば避けたいタイプ……って、まんまじゃん! 声の演技もリッド系の、高めの設定。

生石田さんを見たというより、

 生のリッドを見たっ!

という感じ……といえばわかりやすいでしょうか(謎)。


芝居自体が、ちょっと長かったので、お尻が痛くなりました。んでも、次回の公演も、ぜひとも見に行きたいと思ったりして。そうそう、最後のアナウンスで少佐も言ってましたよ

 「次の公演も見たほうが良いと
 “私のゴーストがささやくのよ”」

…と。