2011年10月19日水曜日

演劇集団キャラメルボックス『飛ぶ教室』

キャラメルボックスの芝居「飛ぶ教室」を見てきました。

去年の「シラノ・ド・ベルジュラック」、今年の「夏への扉」に続く海外文学原作もの(もっとあったかも?)。原作は、1933年に発表したエーリッヒ・ケストナーの児童文学小説とのこと。






今回の公演、正直言うと、ちょっと、あれ?って感じでした。
何となく収まりが悪いまま芝居が終わった。
なぜかな? わかんない。
そんな感想だから、公開を限定しようかと思ったけれど、隠すのも違うかな、と思ったので、ふつーに公開。
(あくまでも、個人の主観だけの感想であることをご了承ください。本当の感想は、自分の目で見て感じてください。個人の感想ですので、文句/批判をいただいても変更することはできません。ごめんなさい。)


ドイツのギムナジウムの少年たちの物語。彼らの友情物語でもあり、貧しい時代の物語でもあり、登場人物1人1人の物語は切なく良いお話。芝居としても悪くないと思う。私が変な見方をしてしまったのかも。


以下ネタバレを少し含むので読みたくない人は読まないようにね。重要なネタバレではないけれど。





















最初に出てくるのは、この小説を書いた著者(だったらしい、あとから知った)。著者だと知らない私は、彼が主人公だと思った。彼が雪山にこもってクリスマス用の物語を書く。それが寄宿制のギムナジウムに暮らす少年達の話。

最初に1人の少年が出てくる(ジョーニー)。親に捨てられて親切な人にギムナジウムに入れてもらった不幸だけれども明るい少年。

ふむふむ、この少年が、小説内小説の主人公なんだね。

そのあと、少年達の物語が続く。ジョーニーくんが更に、小説内小説内脚本を書く。そのタイトルが『飛ぶ教室』。ギムナジウムのクリスマス休暇直前に上演する劇の脚本。芝居をする仲間5人と、少年達のことをよくわかってくれる正義先生と、正義先生の親友だった禁煙さんを中心に物語が進んでいく。他校との争いと友情、先生との信頼関係、先生と親友との友情物語。

そして、最後は、小説の著者でもなく、ジョーニーでもなく、マルチンという少年と正義先生の心温まる話で幕を閉じる。



あれ?
えっと、誰が主人公だったのかしら???


きっと、群像小説だったのだ、ということなのだと思うのだけれど、最初に出てきた小説家さんが物語を書き終えた…というオチがついて終わるのだと思ってたので肩すかしを食らった(そして、そのオチの部分で笑わせて泣かせるんだろう、と期待した)。その次に主人公だと思ったジョーニーくんも最後まで物語に関わってきたけれど、彼の心情はあまり描かれてなかった。1つ1つの話は良い話だったけれど、なんとなく私の中でまとまらない。


というのが今回の感想でした。


若い役者さんを中心にした配役で、パンチの効いた笑いも少なかったというのもあるのかもしれない。それは、ベテラン役者さんを知っていて、そのノリを期待した私だからこその感想だろうけれど。


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と、今回はちょっと低空飛行の感想だったけれど、次回作には期待してます。クリスマス公演『流星ワゴン』。原作は重松清さんの同名の小説。キャラメルボックスが演じることになると去年知った時に早々に原作を読みましたが、キャラメルボックスが演じるにはピッタリのハートフルな内容でした。
http://www.caramelbox.com/stage/meteor-wagon/

そして、来年のラインナップも楽しみ。
冬は『トリツカレ男』(再演:私は初演を見られなかったので初めて)、春は『容疑者xの献身』、夏とクリスマスは新作。『容疑者〜』は、初演のキャストがとても印象深いけれど、今度はキャストを変更するかもしれませんね。どんな風に変わるのか、それとも変わらないのか、湯川役は福山を超えられるのか(笑)、そんなことも含めて楽しみ。
http://www.caramelbox.com/goods/pass2012/index.php

(※ちなみに前回湯川役だった岡田くんは、私の中で福山を超えてました)


今年は、震災直後の客入りの少なさに胸が痛くなって、普段芝居を見ない友人に声をかけたりしていましたが、あまりしつこいのも逆効果かもしれないと、この公演から声をかけていません。もしも見てみたいと思っている私のリアル知り合いの方がいましたら、連絡してね。一般発売よりも早くチケットを取ってしまうので、事前に言っておいてくれると隣で見られるチケットを取ることができます。これはどんな?一緒に行ける?一緒じゃない日でも見てみたいかも、ちのはどの日に見に行くの?…なんて疑問要望がありましたら、連絡くださいませ。クリスマス公演の『流星ワゴン』もまだ取れます。当日券やハーフプライスチケットなんてものあるので是非。