2011年7月7日木曜日

演劇集団キャラメルボックス「銀河旋律」

「はじめまして、明日、君と出会う僕です。」

7/5、演劇集団キャラメルボックスの「銀河旋律」を見てきました。
キャラメルボックスは、普通は年間5演目ぐらいの公演を行うんですが、今年は3月の震災を受けて緊急公演をいくつか上演していて、今回の「銀河旋律」は、その1つ。

4日間だけの上演。ハーフタイムシアター(普通の半分の1時間)とはいえ、1日4公演。劇団員オールキャストとも思えるトリプルキャスト。それ以外の緊急公演も終わったばかりだし、通常公演や他の劇団とのコラボや劇団員の客演などもやっていながらこんな無茶な公演ができたのは、きっと、この演目がキャラメルボックスの代表作であり、劇団自体が無茶をやるだけのポテンシャルを持っていたからなんだろうな。

トリプルキャストだから、同じ脚本でも、役者の違う3パターンの芝居があるわけで、私にお金と時間の余裕があれば3パターン見られたのだろうけれど、ごめんなさい、ちょっと無理、ということで、1パターンだけ、BLUEチーム(他はREDとGREEN)のを見てきました。BLUEにしたのは、4月に脳梗塞で入院して復帰した西川さんが出るから。そして、キャラメルボックス復興のためには1人で行くよりも……と友人を誘って観劇してきました。


その感想をこれから書こうと思っているのだけれど、芝居自体の感想というより、私個人のキャラメルボックスの役者さんへの思い、みたいな話になってしまうかも。ストーリーも役者も演技も素晴らしかったと思うのだけれど、本当に本当に申し訳ないことに、私はずっと「違和感」を感じながら見てしまいました。それは

西川浩幸さん以外が演じる柿本光介に対する違和感。

BLUEチームだったから柿本光介は大内くん。演技もいいし、低く響く声が魅力的だし、素晴らしい柿本光介ではあったのだけれど、違和感。…この日記は、そんな話を書いておこうかと。なので、純粋な舞台の感想はほんのちょっとです。ごめんなさい。

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「銀河旋律」は、キャラメルボックスにとっても大切な演目だとのことだけれど、私にとってもとても大切な演目。1988年の「グッドナイト将軍」でキャラメルボックスに出会った私が、3つ目に見た演目が1989年初演の「銀河旋律」。その前に見た2つの芝居も良かったけれど、たぶん、私が、キャラメルボックスに完全に引き込まれたのはこの作品。西川さんが演じる柿本光介にすっかり恋をしてしまったのでした。それが西川さんにだったのか、登場人物の柿本光介にだったのか、それは明確に分けられるものではなくて、私の中では、西川浩幸=柿本光介=王子様、という図式。それから20数年、私の中で西川浩幸さんは王子様としてずっと心の中に居てくれました。


「銀河旋律」は何度も上演されているし、私自身も何度も見ている……はず…と調べてみました。上演されたのは、1989年(初演)、1992年、1999年、2002年。で、私が見たことがあるのは、なんと、初演の1989年の1回だけでした! 1992年はアメリカにいたし、1999年は2度目のアメリカに行く直前だったし、2002年もアメリカにいたし…。なんと、渡米に阻まれて、実は1回しか見ていなかった(自分でもビックリ)。何度も同じ演目を見ていてもストーリーを忘れてしまう私が、「銀河旋律」に関しては1回しか見ていないのに「何度も見てるから覚えてる」と勘違いしているほど印象深い演目だったことが判明した、というわけですね。


そんなわけで「柿本光介=西川浩幸」の私が、今回初めて西川さんではない柿本光介を見ることになったわけです(といっても、再演もほぼ西川さんが柿本を演じていて、2002年はダブルキャストで岡田くんが演じていたらしい)。

今回、柿本光介を他の人が演じているのを見たらどう思うか…なんて考えもせずにチケットを取って芝居を見にきてしまったのだけれど、これは結構大きな出来事でした。

見てよかったとは思うけれど、やっぱり柿本光介は西川さん以外はあり得ない、というのが私の中の結論。そんな風に限定してしまうのは良くないのだろう…、それはわかっているつもりだけれど。
(※決して大内くんがダメとか、そういう意味ではないですからね!ご理解のほど!)


そういえば、もう1演目、そんなことを感じた芝居があることを思い出しました。それは「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」。2007年に見に行った時の自分の日記にこんな風に書いてある。


『劇場アンケートでは「すごくよかった」なんて書いて提出してきたけど、本当は「西川さんの鉄平が見たかった」と書きたかった。』

『西川さんをカッコいいと思った最初の作品「銀河旋律」の柿本の役も西川さんしかあり得ない(ほかのキャストなら見に行かない!)。』


どんだけ西川ファンだよっ、何様だよっ!…って感じですけど、個人の思いということでご了承くださいませ。そして、今回のも、カレッジ〜も、演じていたのが大内くんだったってのも、ほんと、たまたまだってことでご了承ください。大内くんだから〜ってわけじゃないんだよーーー!ご理解のほどー。


…っていうのか、また西川さんへのラブレターっぽくなってきた(笑)。


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今回のBLUEチームでは、西川さんはサルマルの役で、大森美紀子さん(私にとっての「はるか」)はお天気お姉さんのアリマで出てました。西川さんが柿本でないことは、上で書いたようにちょっぴり残念なことなのだけれど、西川さんがお芝居をしている姿を見られたことには感動しました。4月に入院したという情報を知った時には、もしかしたら舞台の上にいる西川さんを見ることはできないのかも…とまで思ったけれど、よかった、よかった、よかった。今までと比べると、少し台詞のテンポが違ってドキドキしたけれど、ほんとによかったよかったよかった。

これからも西川さんは私の王子様ですからね。

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今回の公演は、私としては初めての会場。山野ホール@代々木。キャパ1000人弱。
私は、今回も最前列で見させていただいたんですが、カーテンコールのあと役者さんたちが客席の通路から退場していく姿を振り返ってみた時に、客席が7割方うまっているのが見えました。衝撃的だった3月末の客席の風景から、少しずつ人が増えているが、なんか嬉しい。まだまだなのだろうけれど、どんどん増えていって欲しい。来られなくなったお客さんたちが、少しずつ戻ってきて欲しい。





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芝居自体の感想にはなっていないけど、今回の芝居を見て私が思ったこと。包み隠さず。読んでくれてありがと。キャラメル万歳!


おまけ:キャラメルボックス『銀河旋律』PV