キャラメルボックスの緊急公演Vol.1の「賢治島探検記」を見てきました(6/16(木))。
このお芝居には2つの意味+α×2がある。
1つは、東日本大震災の影響を受けて動員数がの激減によって劇団存続の危機を迎えている劇団が「もう、ウチは、こういう時は、バカみたいに芝居するしかないんですよ。お客さんに元気になってもらうために。」(by西川浩幸さん)ということで、予定になかった公演を2つ企画して上演することに決められた公演であること。
(ちなみに企画されたのはvol.1の「賢治島探検記」と、Vol.2の「銀河旋律」。どちらも再演)
もう1つは、この「賢治島探検記」自体がそもそも、阪神淡路大震災を受けて「被災地で路上でもできる芝居を作ろう」ということで作られた芝居であること。
さらに、偶然の+αではあるけれど、宮沢賢治が岩手の人であること。
そして、もう1つの+αは、「バカみたいに芝居をするしかない」と緊急公演を後押しした発言の西川さんが病気からの復帰でステージに上がってくれたこと(※)。
※4月、キャラメルボックスの看板役者である西川浩幸さんは脳梗塞で入院。現在も言葉の発声に少し障害が残るものの、舞台に復帰してくれたんです。西川さんは私の王子様の一人ですから、こんなに嬉しいことはありません(感涙)。<これを書いている時に、不覚にも涙……
そんな「今」のための芝居を見てきました。
演目は、宮沢賢治の原作4作をキャラメルボックス風にアレンジしたエピソードに、それを研究するゼミの学生達の話を組み込んだ物。
プロローグ:探検隊来る(大学生ゼミの授業風景)
第一話:どんぐりと山猫と馬車別当(原作:どんぐりと山猫)
第二話:注文の厳しい料理店(原作:注文の多い料理店)
第三話:ゴーシュ弾かれのセロ(原作:セロ弾きのゴーシュ)
第四話:光速銀河鉄道の夜(原作:銀河鉄道の夜)
エピローグ:探検隊帰る
第一話と第二話は、今回日替わり。私が見に行った回は、第一話の「どんぐり〜」。幸運なことに、第二話の「注文の〜」は、少し前のUstream中継で見ることができたから、両方を見ることができた、ってことになるんですね。
前半(第三話まで)は笑いの多い物語、そして後半(第四話)は、命について考える切ない話。
緩急のある物語展開と、リコーダー、バイオリン、木琴、バケツパーカッション、ハンドベルと、生の音を使った演出が多いし、舞台装置は幕と椅子だけなのに、その簡素さを感じさせない素晴らしいお芝居でした。
宮沢賢治の作品を全然読んだことがなくても楽しめるけれど、きっと、知っていた方が面白かったんだろうな…と思った私は、全然知らなかったりします。ほんと、申し訳ない。次までにはぜひとも少しずつでも読んでみようかと……。
そして、途中の曲を演奏するシーンでは、なんと、金ぴかの着物をまとった「西川浩二郎」(西川さん演じるところの演歌歌手キャラ)が!!!! 少し痩せたという印象だけど、元気に歌うたってる!元気にステージに立ってる!!
今回は、最前列の通路横、通路から登場した役者さん達が舞台に上がる階段の目の前の席だったんですが、真横で聞く石川寛美さんの声が超絶でした(笑)。超音波な高音の大音量〜〜〜!(笑)いやー、いい経験をさせてもらいました。
芝居が終わっての舞台挨拶は大内くん。そして、途中でちょっとだけ西川さんが出てくれました。少し言葉で詰まっていたけれど、笑顔と元気な姿がほんとにほんとに嬉しかった。
…って、芝居の感想じゃなくて、西川さんを見ることができてよかった日記になってるかも(笑)。でも、だって、本当に嬉しかったんですもの。
前回の日記でも書いたけれど、キャラメルボックスは劇団存続の危機を迎えているそうです。
もしももしもこの日記を読んで興味を持ってくださった方がいれば、ぜひとも見に行ってみてください。肩の凝らない、じーんと感動できる芝居をする演劇集団です。
各ページに空席情報もあると思います。
空席のある公演は当日、劇場に行って当日券を購入することも可能。暇な時間ができちゃった方は是非。
ハーフタイムシアター「水平線の歩き方」「ヒア・カムズ・ザ・サン」
http://www.caramelbox.com/stage/halftime2011/index.html
「賢治島探検記」
http://www.caramelbox.com/stage/kenji2011/index.html
「銀河旋律」
http://www.caramelbox.com/stage/stardust-melody2011/index.html
また、夏には新撰組の無名隊士を主人公にした芝居「降りそそぐ百万粒の雨さえも」も予定されてます。こちらのチケットはまだ先なので、じっくり日程を選べるよー。
http://www.caramelbox.com/stage/furiame/index.html
柿食う客とのコラボ、アナザーフェイスの「ナツヤスミ語辞典」もございます。
http://www.caramelbox.com/stage/natsuyasumi2011/index.html
製作総指揮・加藤さんのツイッターアカウントはこちら。
当日券情報などもつぶやいてくれます。
http://twitter.com/#!/KatohMasafumi
キャラメルボックスをどうぞヨロシク、ヨロシク、ヨロシク!