2009年5月15日金曜日

芝居「容疑者χの献身」○



演劇集団キャラメルボックスの「容疑者χの献身」を見てきました。

これを見るために原作を読んだわけなんですが、原作を先に読んだ方がよかったのか、読まない方がよかったのかは、判断がつかないところ。結末を知らずに見たら、芝居の見方も変わったかもしれないけど、知ってから見に行ったことで、さらに深く理解できたという気もする。

芝居を見て感じたのは、西川さん演じるところの石神と、岡田くん演じるところの湯川が、まさに、原作を読んでイメージしていた石神と湯川、そのまんまだったこと。数学にしか興味がなく、ぱっと見は冴えない中年の石神が、西川と言う殻をまとってそこに「在た」し、頭の回転の早い物理学者の湯川が、岡田という殻をまとってそこに「在た」。西川さんにとっては「石神にぴったり」なんて書いてしまえば、ある意味失礼な言葉になるのかもしれないけれど、彼が普段出している雰囲気は、石神に似ている。岡田くんの方も、湯川の雰囲気に似ている(役者としての「雰囲気」であって、本当の人物像は知らないけれど)。

映画はまだ見ていないのだけど、映画を見ていなくてよかった、とは思った。
原作のイメージと比べるのはいいけれど、映画の配役と比べるのは違うだろうと思うから。まあ、でも、石神…堤真一…西川浩幸、と並べてみても、どこにも違和感はないし、湯川…福山雅治…岡田達也、という並びにも違和感はないから大丈夫だったのかな(というのか、むしろ岡田くんがピッタリだと思えた部分には、福山と重ねる部分も多かったから、映画先攻でもよかったのかも…とも思えるか…)。


原作を知らずに、「キャラメルボックスの芝居」ということだけで見た人がいるとしたら、それはちょっと違和感を感じたかもしれないな…とは思った。私の中での「キャラメルボックス」のイメージは「ファンタジー」だったから(今はそうばかりとは言えないのかもしれないけれど)。推理小説であるがゆえに、場面展開も多いし、会話も多いし、登場人物も多い。うまく場面を繋ぎ合わせて芝居が進んでいくけれど、場面展開の多さが少し気になったし、説明しなくてはならない状況が多すぎて、本当に全ての内容が盛り込まれているのか心配にもなった。この原作を、どうしてキャラメルでやる気になったのか、その辺を成井さんに聞いてみたいところ(資料を読めば書いてあるのかしら?<もらっても最近あまり読んでない私)。

…と、ちょっと否定的にも聞こえる感想も書いてしまったけれど、全体としては、原作の雰囲気をこわさずに、2時間の芝居にきっちりまとめてあったし、役者の魅力や「舞台」という魅力をプラスしてあって、見てよかった〜と思えるお芝居でした。

ただ、原作が人気作品であるがためか、今回チケットがとりづらかったみたい。いつも、平日は直前でも取れるし〜…とGW前にチケットを購入したんだけど、2階席になっちゃいました。2階席だと芝居の臨場感が薄れてしまうのがちょっと残念。もっと石神の(西川さんの)表情を間近で見たかった〜(悔しい〜)。


いやぁ、それにしても、石神が良かった…。
もともと西川ファンではあるけれど、彼が石神を演じたことで、またさらにファン度が増してしまいましたよ。柿本(「銀河旋律」で西川さんが演じた役)以来のハマり具合だった。最後のシーンでは、石神に対してなのか、西川さんに対してなのか、なんだかごっちゃになって涙がボロボロ流れてしまいました。

公演は5/24までサンシャイン劇場(池袋)でやっていますので、興味の在る方は是非!
http://www.caramelbox.com/stage/yougishax/tsuika.html

ちなみに、写真は、ついつい買ってしまった1992年初演のときの「また逢おうと竜馬は言った」のDVD。このときは劇団ショーマとのコラボだったし、ショーマの川原和久さんが客演で「竜馬」を演じていたんですよね。今回もショーマから数人の客演(川原和久さん含む)があったから、その繋がりで DVD化したみたい。なんか、懐かしくてさ〜、高いけど買っちゃったよ…。

っていうのか、たぶん、その頃に買ったプリペイドチケット(写真手前のクーポンチケットみたいなヤツ)を、やっと使いました(笑)。5000円で 6000円分の買物ができる〜ってチケットなんだけどさ、劇団員の写真が印刷されているから…って、なんか、もったいなくて使えなかったんだよね。でも、この100年に一度の大不況。背に腹は変えられません(いや、なんか違う気が…)。西川さんの写真が載っているチケットだけ残せば、あとはつかっちゃおう〜と思った次第。あ〜、なんか、スッキリした!(っていうのか、使えずにとってある人、結構いるんじゃない? さすが前説五郎。商売上手っ!笑)